喰らいつく狼の群れ

本を読んで考えたことを書きます

パーティーを続けよう―10th Anniversary RYUTist "HALL" LIVE―

8月9日、新潟市民芸術文化会館でRYUTistのライブが開催された。結成から10年。アイドル戦国時代という言葉は死語になったが、たくさんのアイドルが現れては消えていく。アイドルもライブも一人では成立しない。新潟・古町を拠点に活動する彼女たちが長い間活…

オリンピック雑感(5)

kuraitsukuookami.hatenablog.com 2021/07/31 「フェンシング男子金メダル」。中央線のトレインチャンネルで情報を得る。 2021/08/03 調べものをしていたら、「兄弟(兄妹?)で金メダル」というのが世間で話題になっているようだ。どうやってその情報にたど…

『サウンドプロダクション入門』に学ぶフィーレドレコーディング

身のまわりの音が気になるようになった 機材を買った 自宅で録音してみた 音源を聴いてみた 身のまわりの音が気になるようになった 心が弱っているのだろうか、鳥がピーピー鳴いてるとか*1、セミが鳴いてないとか*2、身のまわりの音が気になるようになった。…

くらしと生協

生協をはじめた。ネットで簡単に注文ができる。毎週配達員さんから手渡される紙のカタログが、部屋の隅っこに積み重なっていく。来週は断る。最後だから義理で読んでみたところ、これが意外とおもしろかった。 私の母は、生協のカタログを眺めては、薄いオレ…

余華『兄弟』の美処女コンテスト、ものの価値のあいまいさ

こないだの四連休に余華『兄弟』を読んだ。鈍器のような本だ。 兄弟 作者:余華(ユイ・ホア/よか) アストラハウス Amazon 物語は二部構成になっている。第一部は文化大革命の嵐が吹き荒れる中国の架空の町・劉鎮を描いている。まだ幼い二人の主人公、兄・宋鋼…

オリンピック雑感(4)

kuraitsukuookami.hatenablog.com 2021/07/27 台風が近づいているからか、あたりはぼんやりと暗い。雨はほとんど降っていない。風もおだやかだ。しずかだ。 2021/07/28 会社の同僚から「都内の感染者数が3000人を超えた」と聞いた。「全国で?」と訳のわから…

アルファベットを逆に言えますか

江川泰一郎「英文法解説」を読んでたら、助動詞のcanの説明のところで、 Can you say the alphabet backwards? (アルファベットを逆に言えますか) というおかしな例文に引っかかった*1。「アルファベットを逆に言えますか」とはいったいどういう意味だろう…

オリンピック雑感(3)

kuraitsukuookami.hatenablog.com 2021/07/25 台風8号が発生したらしい。天気予報はチェックしている*1。週の中盤から後半にかけて、東京に直撃するコースだ。オリンピックはどうなるんだろう。プランBを用意しているとは思えない。 西武ライオンズのユニフ…

オリンピック雑感(2)

kuraitsukuookami.hatenablog.com 2021/07/23 開会式の日の朝。よく晴れている。オリンピックは見ないと決めたけど、土砂降りで開会式に参加する選手がずぶ濡れになるのも気の毒だ。天気に恵まれてなにより。 コンビニへ行く道すがら、このあたりでは見慣れ…

セミがいなくなった

ここ何日か、ピーピー鳴いてる鳥のことばかり考えていたけど、セミの鳴き声を今年はまだ聞いていないことに気づく。おかしい。じつは聞いてるけど私が忘れてるんだろうか。二週間前に、大阪で暮らす同僚がセミが鳴きはじめたと報告していた。大阪と東京でセ…

オリンピック雑感(1)―ニュースダイエットとTOKYO2020―

2021/07/22 四連休の初日。ついに明日からオリンピックが始まるらしい*1。オリンピック期間中に自分がオリンピックについてどんなことを考えていたか、あとから思い出せるように、こうして記録をつけることに決めた。 この日より前の日付の出来事は、今日、2…

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梅雨が終わった。午前五時。あたりは静かで、遠くから電車が中央線を走る音が聞こえる。線路から二キロは離れている。駅の自動音声が新型コロナウイルスの感染対策を案内している、ニューデイズがコンビニおにぎりの常識を変える、会社員がつぎからつぎへと…

20210721.txt

窓を開けて眠りにつくと、ひんやりした風が部屋に入ってくる。 朝方、4時を過ぎたくらいから、鳥がピーピー鳴いてるのが聞こえる。私はまだ眠ってるから、はたして私は聞こえてるのか聞こえてないのか、鳥は鳴いてるのか鳴いてないのか、そこは判然としない…

グールドのブラームス

はてなインターネット文学賞「記憶に残っている、あの日」 大学に入ったばかりの、三月、四月くらいに、正確にいえば、三月はまだ大学には入っていないから、京都で一人暮らしをはじめたころに(ところで京都で一人暮らしをはじめたのが三月の何日で、その日…

ゾンビとしてのサバイバルガイド―遠野遥「破局」

TL;DR 『破局』のあらすじ 陽介がゾンビであることを示す13の特徴 1. 自分で自分はゾンビであると明言している 2. 攻撃性が高い 3. 性欲が強い 4. 肉を喰らう 5. 眠りの質が高い 6. 社会規範への意識 7. 筋トレが好き 8. 臭いに敏感 9. 他者の視線 10. 笑い…

夏の終わりの光―「ポルトガル、夏の終わり」

人生はほとんど思い通りに進まないというのは言うまでもないことで、過去は取り返しがつかないし、未来も自由に選べるわけではない。 『ポルトガル、夏の終わり』の主人公は、女優としてかなりの成功を築いたが、末期ガンで先はそれほど長くない。人生の最期…

続・平和式典と首相挨拶の25年

こないだ書いた記事で、平和式典での首相挨拶について簡単な分析をした。似てても似てなくても結論はどちらでもよかったんだけど、25年分しか遡れなかったことはひとつ気がかりだった。 kuraitsukuookami.hatenablog.com Wikipediaによると、広島の式典は194…

物語は続く―sora tob sakana「信号」と「untie」

どんなことにも終わりはある。終わり方はいろいろで、終わりを自ら選ぶこともできれば、なにかの拍子に突然終わってしまうこともある。 <寺口夏花>sora tob sakanaを応援してくださっている皆さんへ この度私達sora tob sakanaは解散することになりました…

平和式典と首相挨拶の25年

2020年の広島市原爆死没者慰霊式・平和祈念式、長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典における首相挨拶が酷似していると話題になっている。本記事では、1997年から2020年までのおよそ25年間の首相挨拶がどれだけ類似しているか検証する。 mainichi.jp はじめに 準…

アイドルとフィクション、日向坂46「3年目のデビュー」

映画館で観てきた。日向坂46のグループ結成から現在までの歩みを描いたドキュメンタリー映画だ。公開3日目に観ておきながら、私は超ニワカである。 hinatazaka46-documentary.com 結成時はけやき坂46という名前で、欅坂46のアンダーグループだったこと。 長…

上出遼平「ハイパーハードボイルドグルメリポート」

本書は、テレビ東京の同名の番組「ハイパーハードボイルドグルメリポート」を書籍化したものだ。ヤバい奴らのヤバい飯。ただ、番組で紹介された内容は、本書で語られる内容のごく一部にすぎない。 ハイパーハードボイルドグルメリポート 作者:上出 遼平 発売…

スゴ本の読み方―Dain「わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる」

「あとで読む」はあとで読まない。本書の帯に大きな字で書かれている。ドキッとして本書を読んでみたところ、これにはどうやら、要約すると、 ネット書店のレビューや本屋のPOPを見て、運命的な出会いを直感して本を買ったはいいものの、部屋で読み始めると…

断酒と2020年―町田康「しらふで生きる」

今年も気づけばもう8月になろうとしている。 しらふで生きる 大酒飲みの決断 (幻冬舎単行本) 作者:町田康 発売日: 2019/11/06 メディア: Kindle版 町田康の『しらふで生きる』を読んで、なにごとにも影響されやすい私は、酒を断ち人生を取り戻そうと誓いを立…