喰らいつく狼の群れ

本を読んで考えたことを書きます

オリンピック雑感(2)

kuraitsukuookami.hatenablog.com

 

2021/07/23

開会式の日の朝。よく晴れている。オリンピックは見ないと決めたけど、土砂降りで開会式に参加する選手がずぶ濡れになるのも気の毒だ。天気に恵まれてなにより。

 

コンビニへ行く道すがら、このあたりでは見慣れない、彫りの深い、整った顔立ちの若者が二人、サイクリングの途中なのか、自転車をガードレールに立てかけて、スマホでお互いの写真を撮影していた。私の住んでるところは多摩地域のごくごくふつうの住宅地で、カメラを向けたくなるようなものも特にない気がするんだけど、もしかすると海外からの観光客の方なんだろうか、他所の国に行くと、気分が高揚して、なにもかもが目新しくて、ついついなんでも撮りたくなってしまう、そういう心理がいま、彼らに働いているんだろうか、団地の前でピースをしてた。ナイスポーズ。

結局、観戦のルールはどうなったんだろう。無観客になったんだろうか。ニュースを見ていないので、私には分からないが、彼らが海外からの観光客であると仮定して、いったいどの競技を観戦するんだろう。

 

一昨年、ラグビーのワールドカップが日本で開催されて、非常に盛り上がった。有楽町駅のあたりを歩いていると、海外から観戦に来たお客さんをスタッフがなにやら案内していて、街に活気があった。

ラグビーのワールドカップを観戦するために、ラグビーのファンが海外からはるばる日本にやってくる、というのは非常によく理解できる。一方で、オリンピックを見るために、オリンピックのファンは海外からはるばる日本にやってくるのか。オリンピックのファンは存在するのか。

オリンピックはマイナースポーツの祭典とよくいわれる。100m走は私も興味がある。誰が一番速いか、分かりやすさがある。ただ、例えば、クレー射撃となると、クレー射撃の選手ならびに関係者のみなさんには申し訳ないが、よく分からないと思う。私はクレー射撃を実際に見たことがないので、想像で勝手に言っているだけだが、おそらくはじめのうちは、宙に向かって飛んでいった皿が撃ち落とされる、なんてことは日常生活ではまず起きないので、ワーワー興奮するはずだ。しかし、何度も繰り返し見てたら、確実に飽きる。正確に皿を撃ち落とすためには、すごい技術や努力が必要なのかもしれないが、絶対に理解できない。自国の選手やすごい実力者が出場しているのであれば、その選手を中心に楽しむこともできるかもしれないが、選手全員を笑顔で応援するのは少なくとも私には無理だ。表情筋が死んでしまう。

 

団地の前でピースをしてた彼らは、これからクレー射撃を見るのだろうか。チケットは結構な倍率だったと聞く。私の友人も何人か、手当たりしだいに抽選に応募していた。不本意ながら、本命の競技のチケットはとれず、クレー射撃の一枚だけ当たってしまった、という可能性もある。

地球の裏側からはるばる日本までやって来たのに、クレー射撃を見るだけなんて耐えられない。けれども、堂々と観光はできない。酒も飲めない。悲しすぎる。

ここまでいろんなことを仮定しながら書き散らしてしまった。本当のところは分からない。とにかくサイクリングを楽しんでほしい。

 

午後八時半、部屋でひとり、YouTubeを見ながらお酒を飲んでいると、花火のような音が何度かきこえた。気のせいかもしれない。開会式の演出だろうか。

2021/07/24

近所をふらふら散歩していると、おばあさんが二人、向こうのほうから歩いてきた。「それで結局最後はどうなったの?」「選手がバラバラに、」 

開会式の途中で寝落ちしたんだろうか。選手がバラバラに、というのは退場のなにかを言ってるんだろうか。特定の選手が機械かなにかでミンチにされた、ということではなさそうだ。たしかに選手が一斉に退場すると密になってしまう。結局最後はどうなったんだろう。気になる。