喰らいつく狼の群れ

本を読んで考えたことを書きます

書評

『サウンドプロダクション入門』に学ぶフィーレドレコーディング

身のまわりの音が気になるようになった 機材を買った 自宅で録音してみた 音源を聴いてみた 身のまわりの音が気になるようになった 心が弱っているのだろうか、鳥がピーピー鳴いてるとか*1、セミが鳴いてないとか*2、身のまわりの音が気になるようになった。…

余華『兄弟』の美処女コンテスト、ものの価値のあいまいさ

こないだの四連休に余華『兄弟』を読んだ。鈍器のような本だ。 兄弟 作者:余華(ユイ・ホア/よか) アストラハウス Amazon 物語は二部構成になっている。第一部は文化大革命の嵐が吹き荒れる中国の架空の町・劉鎮を描いている。まだ幼い二人の主人公、兄・宋鋼…

オリンピック雑感(1)―ニュースダイエットとTOKYO2020―

2021/07/22 四連休の初日。ついに明日からオリンピックが始まるらしい*1。オリンピック期間中に自分がオリンピックについてどんなことを考えていたか、あとから思い出せるように、こうして記録をつけることに決めた。 この日より前の日付の出来事は、今日、2…

ゾンビとしてのサバイバルガイド―遠野遥「破局」

TL;DR 『破局』のあらすじ 陽介がゾンビであることを示す13の特徴 1. 自分で自分はゾンビであると明言している 2. 攻撃性が高い 3. 性欲が強い 4. 肉を喰らう 5. 眠りの質が高い 6. 社会規範への意識 7. 筋トレが好き 8. 臭いに敏感 9. 他者の視線 10. 笑い…

上出遼平「ハイパーハードボイルドグルメリポート」

本書は、テレビ東京の同名の番組「ハイパーハードボイルドグルメリポート」を書籍化したものだ。ヤバい奴らのヤバい飯。ただ、番組で紹介された内容は、本書で語られる内容のごく一部にすぎない。 ハイパーハードボイルドグルメリポート 作者:上出 遼平 発売…

スゴ本の読み方―Dain「わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる」

「あとで読む」はあとで読まない。本書の帯に大きな字で書かれている。ドキッとして本書を読んでみたところ、これにはどうやら、要約すると、 ネット書店のレビューや本屋のPOPを見て、運命的な出会いを直感して本を買ったはいいものの、部屋で読み始めると…

断酒と2020年―町田康「しらふで生きる」

今年も気づけばもう8月になろうとしている。 しらふで生きる 大酒飲みの決断 (幻冬舎単行本) 作者:町田康 発売日: 2019/11/06 メディア: Kindle版 町田康の『しらふで生きる』を読んで、なにごとにも影響されやすい私は、酒を断ち人生を取り戻そうと誓いを立…