喰らいつく狼の群れ

本を読んで考えたことを書きます

パーティーを続けよう―10th Anniversary RYUTist "HALL" LIVE―

8月9日、新潟市民芸術文化会館でRYUTistのライブが開催された。結成から10年。アイドル戦国時代という言葉は死語になったが、たくさんのアイドルが現れては消えていく。アイドルもライブも一人では成立しない。新潟・古町を拠点に活動する彼女たちが長い間活動を続けることができたのは、多くの人に支えられてきたからだ。

 

ところで、私はいまこの文章をライブに参加した翌朝に市内のホテルで書いている。本当は「ライブ最高」と一言書いて終わりにしたいんだけど、どうしてこんな回りくどい文章をわざわざ書いているかというと、手放しで「ライブ最高」と言える状況ではないからだ*1

改めて指摘するまでもなく、コロナウイルスがアイドルの現場に与えた影響は大きい。今回のライブは、もともとは2020年6月に予定されていた。このときは当時の感染状況を踏まえて中止になった*2。それから一年、先行きの見えない状況は依然続いていて、昨日ついにライブは決行されたものの、直前まで開催の可否が検討されていたという*3。チケットは完売だったが、当日は空席もあった。参加しないことを選んだ人もいる。

みくちゃんが、はじめのほうのMCで「ガラガラだったらどうしよう(と心配してた)」と冗談っぽく笑っていたが、あれは本心だろう。RYUTistの有観客ライブは一年半ぶりだった。これまで来てたお客さんがこれからも来る約束はどこにもない。

リーダーのののこさんは、アンコール前の挨拶で「もう二度と会えなくなってしまった人もいる」と話していた。滅多に泣かないののこさんが泣いていた*4。アンコールの一曲目は「Beat Goes On! 〜約束の場所〜」だった。

 

ありがとう

いつでも 手をつないでいてくれて

ありがとう

いつでも 言葉をくれて

 

君の輝く瞳 また会えたよ

みんなが信じてた ここは約束の場所さ

 

人はひとりで季節を生きてく

だけどいま 今日だけは 同じ想いを分け合える

君の輝く瞳 また会えたよ

みんなが信じてた ここが約束の場所だから

 

人はひとりで闘い生きてく

だけどいま 今日だけは 同じ想いで立ち向かう

君の輝く瞳 また会えたよ

みんなが信じてた ここが約束の場所だから*5

*1:東京から参加してしまった罪悪感もあって、この文章で自分を正当化しようかとも考えたが、それはあきらめた。

*2:http://www.fobkikaku.co.jp/notice.php?nid=476

*3:https://twitter.com/RYUTist_info/status/1423650073716543495

*4:https://audee.jp/voice/show/33650

*5:田中良、太田彩美(2013)『Beat Goes On! 〜約束の場所〜』