喰らいつく狼の群れ

本を読んで考えたことを書きます

アルファベットを逆に言えますか

江川泰一郎「英文法解説」を読んでたら、助動詞のcanの説明のところで、

Can you say the alphabet backwards? (アルファベットを逆に言えますか)

というおかしな例文に引っかかった*1。「アルファベットを逆に言えますか」とはいったいどういう意味だろう。

 

トッベァフルアとか、tebahplaとか、「逆に言えますか」というのはそういう言葉遊びではない気がする。エムとかエヌとか個別のアルファベットに対して、ムエとかヌエとか発音してみるのも違うと思われる。

まともに考えると、Z、Y、Xと、ZからAまで26個のアルファベットを逆の順序ですらすら言えるか。この能力が問われているのだろう。日本語に置き換えると、ん、を、わと、五十音を逆から読み上げるようなものだろうか。そんな能力をひけらかす日本人に私はこれまで出会ったことがない。英語圏にはこんな特異な能力の持ち主がいるんだろうか。江川泰一郎が文法書の例文にするくらいだから、きっとにいるにちがいない。

 

www.youtube.com

調べてみると、子ども向けのサイコなYoutubeが見つかった。かなりの再生回数である。こわすぎる。

  

www.quora.com

アルファベットを逆に言えるようになるためのコツを教えてください。こんな質問をする大人もいれば、まともに回答をする大人もいるくらいだし、意外とこの能力をもつ英語話者は少なくないのかもしれない。なぞだ。以下が、この質問への一回答である。

The reason saying the alphabet backwards is a challenge is because it’s rarely learnt that way. One answer here has a nice poem as a mnemonic, but if you’re into doing it the classic way, just write the alphabet backwards, and try reading it a few times like that (Z, Y, X, W […] C, B, A). Read it a few times like that, and you will get comfortable with the “new sequence,” which will, with spaced repetition, or mnemonics you develop yourself, become easier to memorize.

Also, you should work on your recall speed. Take it easy the first few times, maybe give yourself five seconds to recall the next letter in the reversed sequence, then shorten the time you get until you take roughly as much as you do to recall the next letter in the alphabet in its normal sequence.

Do not set yourself impossible tasks, because failure is a huge demotivator for some people. Work one step at a time so that your brain constantly feels “I can do this” rather than “It’s too hard and I should give up."*2

アルファベットを逆に言うのが難しいのは、我々がそのようにアルファベットを教わることがまずないからです。あなたがアルファベットを逆に言えるようになりたいと思っているなら、それにふさわしい詩*3を手がかりに記憶するのが近道ではないかと私たちは考えていますが、古典的なやり方が好みであれば、まずは単純にアルファベットを逆の順序で書いてみて、それを何度か読み上げてみてください。Z、Y、X、W、...、C、B、A、といった具合に。こんなふうに何度か読んでいると、だんだんとこの「新しい順序」に慣れてくるはずです。コツコツつづけていくうちに―自分なりの記憶術を編みだす人もいるかもしれません―だんだんと「新しい順序」を記憶することが簡単に感じられるようになると思います。

「次」にでてくるアルファベットはなにか。これを頭の中に思い浮かべるスピードも重要です。最初の何回かは気楽にやりましょう。新しい順序で「次」のアルファベットを思い浮かべるのに、はじめは五秒かかるかもしれません。通常の順序でも「次」のアルファベットを思い浮かべるにはある程度時間がかかりますよね。ですから、通常の順序とだいたい同じくらいの時間で、新しい順序でも「次」のアルファベットを思い浮かべることを、まずは目標にしてみましょう。

達成不可能な目標にいきなり取り組まないように。失敗はときに、人のやる気を奪っていきます。一歩ずつ着実に進みましょう。困難なことでもやれば達成できると、自分の脳に思い込ませることが重要です*4